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執筆者の写真ポジティブ・ディシプリン コミュニティ

養育者が自分と子どもを救う手立てを

暴力も罰もいらない前向きなしつけ『ポジティブ・ディシプリン』は

子育てのガイドです。


と言っても

日々子育てに奮闘している養育者に

「そのやり方が違うから、〜なような対応をしましょう」

とダメ出しし、子育てのやり方を教えるものではありません。


中国のことわざだそうですが

「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」という言葉があります。

お腹が空いている人に魚を与えることは、一時的に飢餓の問題を解決できるけれど

魚の釣り方を教える方が、長期的にみて飢餓の問題の本当の解決法と言えます。


ポジティブ・ディシプリンも

養育者へ子どもへの一時的な対処法を与えるのではなく、

長い子育てでずっと使える『考え方』を提供します。


ポジティブ・ディシプリンの開発元でもあるセーブ・ザ・チルドレンの

創始者エグランタイン・ジェブは

「私たち大人がすべきことは、子どもの手のひらに、自分自身を救うための手立てを置くこと」とお話しされています。


同じように、ポジティブ・ディシプリンは

養育者の手のひらに、

養育者の力を引き出し、自信を持って子育てできるような手立てを置きたいと願います。


ですから、ポジティブ・ディシプリンでは、効果的な子育ての方法を考えるための4つの原則をお伝えします。


それは

①長期的な目標を決めること

②温かさを与え、枠組みを示すこと

③子どもの考え方・感じ方を理解すること

④課題を解決すること


釣りの仕方を覚えるために、時間と練習が必要なように、

上の4つの原則を使った前向きなしつけ(ポジティブ・ディシプリン)を身につけるにも、時間と練習が必要です。


そのために書籍「ポジティブ・ディシプリンのすすめ」では200ページほど演習があり、私たちが提供するプログラムでは18時間を要します。


書籍の演習から引用しますが

例えば、子どもが夜寝るのを嫌がるようになって、あなたがそばを離れると大泣きします。就寝時間は毎晩親子でもめて、あなたは、一人で寝るのを嫌がる子どもに怒りを覚えつつある状況だとします。


ここで、ポジティブ・ディシプリンでは

「早めに寝る準備をして、絵本でも読んで、寝るまでそばにいてあげましょう」

のような対症療法的な子育てのやり方をアドバイスしません。

子育てのやり方・アイディアを考え出す方法を、一緒に練習します。


①長期的な目標を決めること


まずは、子育ての長期的な目標を決めて、いつも思い出せるようにします。

例えば「優しい人」と決めたとします。人それぞれ、目標はもちろん違っていていいです。


②温かさを与え、枠組みを示すこと


「優しい人」に近づくように、「優しい人」という目標と逆行しないように、子どもへの対応を考えます。すると例えば「もう〇歳でなんでできないのよ。勝手にしなさい!」と対応することは、

 子どもが「優しい人」に近づく対応だろうか

 「優しい人」のお手本になるだろうか

 「優しくない人」のお手本にならないだろうか

と点検することができます。


子どもへ教えるときは、

温かさ(安心感)を与え、子どもが子どもなりに考えられるような心の状態を作って、枠組み(情報や学びのサポート)を示します。


この年齢の子どもが、目の前の我が子が、夜、どうやったら安心感を得られるか考えます。

そして、温かさ(安心感)を与えた上で、

「明日も元気で楽しく過ごすために、しっかり寝ようね」とか

「お父さんもいるし、鍵はかけたし、安心だね。大丈夫。みんなも寝るからね」とか

夜に寝る健康的習慣のための情報やサポートをすることができます。


③子どもの考え方・感じ方を理解すること


この子の年齢が2〜3歳であれば、

このように暗闇を怖がるとか、いつもと違う状況に怯えるということは、健康的な発達の証だと知ることも、しつけに役立つでしょう。


怖いもの無しのように見えた1〜2歳を過ぎ、

突然夜怖がる様子は、一見赤ちゃんっぽく見えるかもしれませんね。

でも、体験が積み上がり、危険についてわかってくると恐れを感じますし

想像力という人間らしい能力が開花すると、おばけや幽霊など怖がるようになります。

したがって、怖がったり怯えたりするようになるのは、成長している証拠なのです。


④課題を解決すること


子どもの考え方・感じ方を理解し、長期的目標に近づく、温かさと枠組みで

「夜寝るのを嫌がる」問題にトライします。


子どもの安心のために、布団をめくって何もないのを確認する、という温かさを与えても

子どもが安心しないようであれば、

違う温かさを考えます。


「明日も元気で楽しく過ごすために、しっかり寝ようね」とお話ししても、納得しないようであれば、寝やすくなるように体を温めることも教えることをしてみる、とまた違う枠組みを考えます。


一度のチャレンジで解決! とは行かないかもしれません。

一発で当てなくていいし、当たりません(笑)

様々試してみることで、子どものことが分かってきて、子育ての腕が上がるのです。


そのように、ポジティブ・ディシプリンの4つの原則を使うと

一つの思いついた方法で、子どもとの衝突をうまく解決できなくても、

また違う方法を考えることができます。

その方法は、いずれも

体罰を含むあらゆる形の暴力を使わず

子どもが尊重され、尊厳を傷つけられないものです。


書籍(ポジティブ・ディシプリンのすすめ)から引用します。


ポジティブ・ディシプリンは、子どもの発達に関する研究結果に基づき「ぶったり、叩いたり、罰を与えたりすることなく」、「子どもとともに日々の課題に向き合い」「子どもを人として尊重する」、そのような子育てを目指します。(省略)
このガイドの目的は、叩いたり罰を与えたりしない子育て法を身につけるための考え方やサポートを皆さんに提供することにあります。


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