• ポジティブ・ディシプリン コミュニティ

『子どもの権利』で視野を広げ、日々の子育てが進化する


今年は『子どもの権利条約』制定30年

日本が批准して四半世紀のメモリアルイヤー。〜特集記事 第4弾!〜

私たちは、知らず知らずのうちに、今いる文化の影響を受けています。


全ての人の命を平等な価値として、思いやりを持つ公平な社会となるように、『権利』の視点を使うことは一つの手段でしょう。『子どもの権利』を考えることは、文化の歪みやともすると子どもや親にしわ寄せがある社会に、気づかせてくれます。

『子どもの権利条約』では、

批准した国は、(最初は2年以内その後)5年ごとに、子どもの人権のために行った措置や進歩の報告をする約束があります。国連にある「子どもの権利委員会」はその報告を審議し、不適切な点や努力が必要なことを具体的に勧告します。

国際的な枠組みから見る日本への指摘は、私たちの文化的な特徴に気づき、新たに考えるきっかけを与えてくれます。

例えば1998年の総括所見で以下のように述べられています※1。

・競争の激しい教育制度が締約国に存在すること、ならびにその結果として子どもの身体的および精神的健康に悪影響が生じていることを踏まえ、(略)

過度のストレスおよび学校忌避を防止しかつそれと闘うために適切な措置をとるよう勧告する。

・(略)、学校における暴力を防止するため、とくに体罰およびいじめを解消する目的で包括的な計画を作成し、かつその実施を注意深く監視するよう勧告する。加えて、委員会は、家庭、ケアのための施設およびその他の施設における体罰を法律で禁止するよう勧告するものである。委員会はまた、代替的形態によるしつけおよび規律の維持が子どもの人間の尊厳と一致する方法で、かつこの条約に従って行なわれることを確保するために、意識啓発キャンペーンを行なうようにも勧告する。

上の指摘から、国際的に見て違和感のある日本の特徴を知ることができ、より広い視野で子どもについて考えることができます。

特徴A:教育が激しい競争の原理のもとに行われていること。

→北欧をはじめに世界には受験も塾もない国があります。デンマークでは小学校段階では点数をつけて序列化するようなテストが禁止されているそうです。日本でそんなことをしたら、学力低下、国力弱体と言われそうですが、それらの国は、幸福度ランキングや頭のいい国、世界競争力ランキングで上位にいるのだから面白いですね。

 日本の教育の目標は、「人格の完成」と「平和的な国家及び社会の形成者」となることです(教育基本法)。上の国でも同じような目標を持ち、学校でいかに民主性を取り入れるか、言い換えると『子どもの権利』をどう実現させるか検討し、子どもには競争でなく共同を基本とし、学校は子どもの居場所として子ども自身に運営参画を促しています※2。

同じような目標でも、教育の手段はたくさんあることに気づき、私はどんな教育を望んでいるのかと考えることができます。そして、学校選択や学校への働きかけなど私の子育てに反映されます。

(参考動画)



特徴B:子どもへの暴力を減らすのに、体罰禁止の法制化と意識啓発キャンペーンが効果的であると言われているのに、日本は行っていないこと。

→スウェーデンでは、『子どもの権利条約』批准前に、家庭でのしつけでも体罰を禁止する法律を作り、政府が大々的なキャンペーンを行いました。結果30年後には、叩かれている未就学児の割合は90%から10%に低下しました※3。

子どもへの暴力をはっきりと禁止した『子どもの権利条約』を批准したのに、日本は四半世紀経って、虐待のニュースが相次ぐ状況です。

虐待はもっともっとなくすことができます。成功事例は世界にすでにあるので、しつけから体罰をなくすことを、親は恐れなくて大丈夫だと言えます。

ちなみに、勧告にある「代替的形態によるしつけおよび規律の維持が子どもの人間の尊厳と一致する方法」として、ポジティブ・ディシプリンは開発されました。私はポジティブ・ディシプリンに出会い、しつけから暴力をなくすことができました。そして、非暴力の前向きなしつけこそが、親としての自分を成長させ、子どもの尊厳とスキル向上、親子の信頼関係に貢献できると、経験からお伝えすることができます。

 なぜなら、しつけから暴力をなくしたら、罰する代わりに、養育者は自分のストレスにうまく対処する方法を知り、これまでよりも辛抱強く子どもに教える必要が出てきます。

暴力を受けた子どもは、「愛されていない」「孤独」「見捨てられた」「惨め」などの気持ちを抱きます※4。暴力を使わないことで、このように子どもの尊厳を傷つけることは減ります。

また衝突やストレスフルな場面で、暴力的でない辛抱強い親の対応は、子どものお手本となりますので、子どもの課題解決スキルの向上を促進します。子どもを粗末に乱暴に扱わず、辛抱強く教える関わりは、親子関係を強め、親と子どもの情緒の安定に繋がります。

2019年の総括所見より

・委員会は、締約国が、以下のことを目的として、十分な人的資源、技術的資源および財源に裏づけられたあらゆる必要な措置をとるよう勧告する。

(a) 仕事と家庭生活との適切なバランスを促進すること等の手段によって家族の支援および強化を図り、困窮している家族に対して十分な社会的援助、心理社会的支援および指導を提供し、かつ子どもの遺棄および施設措置を防止すること。

→日本は労働時間が長く、休暇も多くないことを知りました。海外では、家庭生活を保証するために、就業時間が短いこと、子どものために育児有給休暇・看護有給休暇が確保されていることも知りました。

スウェーデンでは、育児休業は母だけでなく両親休暇制度として18ヶ月(2002年)給付されます。休暇期間で「父親の月」という、母親に譲渡できない割当期間があり、父親が休暇を利用しないで残すと、休暇への権利は消滅します※5。

休暇を取得しない父親は、「育児の拒否、あるいは育児の大切さについての認識不足となるのに気づいていないとされる。」「父親へ向けられる社会側の態度は厳しいものがあるが、何故ならば、物言わない幼い子どもの代弁であり、かつ仕事にばかり気をとられる男性たちや会社へ向けた警鐘であると受け止められる。※6」そうです。

我が家も、夫は”24時間働けますか”戦士(昔CMにありましたね)となり、私が専業主婦の時代がありました。その時は無意識でしたが、子どものことは夫に心配をかけないで私がするんだ、という気持ちがあったと思います。その気持ちは、夫が眠いだろう休日に、子どもがパパと関わろうとして起こすのを止めようとしたり、子どもの日常を知らない夫に子どもの問題を相談するのは難しいだろうと考えたりと、家族としてのコミュニケーションを阻害していたように思います。

夫婦で役割をはっきり分けることは、任せることで衝突が減るかもしれないですがコミュニケーションも減るでしょう。今は、私も仕事を持ち、夫とよく相談しながら役割をその時々で交換し、ともに子どもの安全を守り成長を見守り、家族で協力して暮らしています。子どもたちも、大きくなり、息子も娘も夜ご飯づくりなど家事を協力してくれます。

そんな子どもを見て、私は自分が納得できる子育てをしていると満足しています。

息子は進学校に入学し、体調を壊したり、休んだりしますが、

私は競争原理の教育環境にどっぷり浸かって、「休んだら勉強送れるよ」「成績悪くなるよ」「いい大学行けないよ」と焦り、まくし立てることはありません。

自分の体調を気遣うこと、テストの成績というものさしだけで自分を含めた人間を決めつけないこと、勉強以外にも自分の時間をもち生活を点検することを伝えます。

子どもが私の思い通りに、物を片付けたり、気持ちよく返事をして行動を切り替えない時、暴力や罰、脅しを使うことはありません。子どもの考えや状況を聞き、私の意見や願いを話し、お互いのニーズを満たす方法を探します。

子どもが受験をする時も、「勉強だけしてれば良い」という、いっときの偏った役割分担で、家庭生活や家族のコミュニケーションを阻害しないようにします。忙しい時にも家族として家事は受け持つけれど、「大変そうだから、今日は私がやろうか」とお互いに相談しながら、その時々で役割を交代し、協力し合いました。

このように、『子どもの権利』の視点は、今自分が住む文化の限界を超え、

家族が幸せに、家庭生活、職業生活、個人生活を送るために、

今自分ができる子育てのアイディアをもたらしてくれます。

現代の限界を超えるような子育ては、より良い社会の一歩となり、新しい世代に引き継がれると期待しています。

参考)

※1「ARC 平野裕二の子どもの権利・国際情報サイト」(2019.2.21訪問)

※2「幸福度世界一のデンマークの教育とは?」(2019.3.1訪問)

  「学力世界一の国"フィンランド"と日本の教育方法の違い」(2019.3.1訪問)

※3「子どもに対する暴力のない社会をめざして 体罰を廃止したスウェーデン30年のあゆみ

※4「子どもに対する体罰を終わらせるための手引き」 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

※5「第1章スウェーデン」労働政策研究・研修機構 (2019.3.1訪問)

※6「スウェーデンはなぜ少子国家にならなかったのか」竹﨑孜 あけび書房

#デモクラティックな保育 #スウェーデン #子どもの権利

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