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公式プログラムとダイジェスト講座の違い

執筆者の写真: ポジティブ・ディシプリン コミュニティポジティブ・ディシプリン コミュニティ

『ポジティブ・ディシプリン 』は、

日々のしつけ行動が前向きなしつけへと変化するのに必要である

情報、演習、養育者が考える時間で

設計された一連の学習プログラムです。


行動が身につくには、また脳に神経回路ができてくるには

時間がかかります。

この公式プログラムは18時間、おおよそ3ヶ月(2時間×9回)かけて、その定着を育みます。


でも、公式プログラムを実施するには、会場に加え、託児も確保し開催しますので、最初から連続9回講座を開催できる経済基盤を持つ主催団体は、今は多くはないでしょう。

そのような場合、ポジティブ・ディシプリンを知っていただくために、2時間講座でご紹介することがあります。


2時間版などでポジティブ・ディシプリンをお伝えすると、

非常に簡素化してお伝えするために、分かりやすく全体が見えることが利点です。

一方で、単純化の副作用として、不正確な理解の可能性が高まり誤解も生まれやすい、応用がしづらい、と言えるように感じます。

伊勢原市比々多小学校での前向きなしつけ講座

例えば、子育ての #長期的目標 を達成するための強力な道具(スキル)として

ポジティブ・ディシプリンでは

「温かさを与える」と「枠組みを示す」ことを一緒に使います。


温かさを与えるとは、子どもに安心、安全を与えることです。子どもに安心を与える大人の対応の例として、一緒に遊ぶとか、笑う、「大好き」と言う、子どもの話を聴く、などより具体的に説明します。


強力な道具のもう一方、「枠組みを示す」とは、子どもに、自分で考えたり行動できるための情報や、サポートをすることです。

つまり、子どもが学ぶには、

自分自身で考えられるような安心できる環境で、次に養育者がいない場でも良い判断や行動ができるように情報を得たり、学びをサポートされるのが効果的です。


話を聞いた養育者の方は、ふと、こんなことに気がついたりします。

余裕があるときは、温かさを与え枠組みを示すことができるけれど、子どもに対して頭にきているとき、それも子どもが約束を破ったなど悪いことをしたときに「温かさを与える」のは無理じゃないか、なんでご機嫌を取らないといけないのかと。


温かさとは、"安心を与える"ことであり、どんな時でも子どもに笑いかけたり大好きだと言う必要はありません。怒った表情だとしても、暴力を振るわず、子どもの話に耳を傾ければ、子どもは安心や安全を脅かされないでしょう。温かさは、子どものご機嫌をとることでもなく、子どもの言いなりになってご機嫌ナナメを防ぐように甘やかすことではありません。子どもが頭を働かせ考えられるような、安心な場を作れればよいのです。


他にも、ポジティブ・ディシプリンでは

子どもは #発達段階 によって理解できること、考え方、感じ方が違うので、発達段階を理解することで、効果的に教えることができることを説明します。


すると、また、こんな風にお考えになるかもしれません。

発達段階で子どもがわかるようになるまで教えないのだろうか、と。

教えちゃいけないと言ってるのではないです。もちろんいつからでも教えてあげたらいいと思います。ただ、「教えること」と「子どもが理解すること」もっと言うと「子どもができること」は違います。ですから、言ってすぐできないからといって、できない子・悪い子だと判断するのは時期尚早ですし、ましてや子どもを貶したり傷つけたりすることはないです。


また、「枠組みを示す」はやっているのに、子どもが全然学ばないとお困りな養育者の方もいるでしょう。例えば、ゲームの使用時間のルールを守らない、とか。私も長いこと子どもとモメました(笑)。

枠組みを示すと言うのは、情報を与えるだけではありません。子どもの今できる(できない)ところから、少し頑張ったらできるところに進めるように、足場をかけて学びをサポートすることです。


ですから、ゲームの使用時間のルールを守らない場合、

守れない現状からどうしようか、どんな足場をかければ子どもが足場を使って進めるか考えます。ルールを守る練習から考えてもいいし、ゲームの使用時間のルール決めを一緒にすることから始めてもいいかもしれません。


我が家は、ルール決めを一緒に決めて、ルールを守れない場合の行動の修正法も一緒に決めました。面白いことに、子どもにルールを守れない場合のゲームの扱いを提案してもらうと、結構厳しいルール(1週間使用禁止)を設定したりします。だから、それは厳しすぎない?そこまでしなくていいよ、なんて調整しました。


加えて、ルールを守る練習や意味を教えることもしました。日常、子どもが当たり前と思っていること、例えば水曜日はお友達との遊び場として家を開放する約束をしていましたので、「私が水曜日、約束を破って今日は我が家はダメ!って言ったら困るよね。約束はお互い守ろうね」と何度もルールや約束について考える機会を持つようにしました。

懐かしいです。そのうち、子どもはゲームよりもyoutubeの方が好きになりました。そのうち、暇な時間がなくなってきて、ゲームの時間に振り回されなくなりました。


最後に思いつく誤解として

ポジティブ・ディシプリンを #たたかない怒鳴らない 子育てと紹介することがありますが、

たたかない(でください)、怒鳴らない(でしなくてはいけない)子育て、

と言われたように感じるかもしれません。


でも、私は

決して、たたかないで怒鳴らないでやってくださいと言う意味ではなくて

たたかない(でもいい)怒鳴らない(でも大丈夫)子育て(できます)

というつもりで、お伝えしています。


親もストレスがかかる時、怒鳴ることがあるでしょう。私も大きな声を出す時があります。

ただそれは、しつけのために怒鳴っているのでなく、自分を怒鳴らせる子どもが悪いわけでもなく、親だってイライラするから怒鳴ってしまうだけでいんだと思います。

そう思えば、落ち着いた時に、「ま、こんなに怒鳴ることもなかったけど」と話し、怒鳴ったから問題が解決するわけではないことを伝えることができます。

加えて、子どもがイライラした時に怒鳴ってしまうことにも、共感できるでしょう。


このように、18時間の公式プログラムではない形で講座を行いますと、

養育者の方に戸惑いや誤解を与えてしまうのではないかと、心配することがあります。


私は、ポジティブ・ディシプリンは

たたかない(でください)、怒鳴らない(でしなくてはいけない)子育て

ではなく、18時間のプログラムによって、養育者がじわじわと

たたかなくてよくなる、怒鳴らなくてよくなる 前向きな子育て(に変わる)のを見ています。

ポジティブ・ディシプリンは

そんな風に養育者の肩の力が抜け、楽になり、子育てに自信が持てる養育者支援プログラムだと思っています。



18時間版はファシリテーターは2人

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