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  • 執筆者の写真ポジティブ・ディシプリン コミュニティ

ポジティブ・ディシプリン®︎で育った子どもに聴く、20歳を迎えて


 20年前、親には“おしりぺんぺん”で育った経験があり、しつけで子どもを叩くことはまだよく聞かれる時代でした。しかし、この20年間で虐待が社会問題になり、家庭での体罰は法律で禁じられました。

 筆者は、13年前にポジティブ・ディシプリン®︎に出会い、苦労しながらも『たたかない怒鳴らない子育て』を続け、いよいよ子どもが20歳を迎えることになりました。その子育ては、子どもにとってどんなものであったのか、子どもの声を聞かせてもらいました。


成人を祝う乾杯の写真

ポジティブ・ディシプリン®︎で育った子どもから聴く。

私たち親子は、今、どんな関係性で、どんな場所に辿りついたんだろう。


 

20歳になったあなたに質問です



質問1: 私は、たたかない怒鳴らない前向きな子育てを多くの人に伝え、

そして実践してきたつもりです。

たたかない怒鳴らない子育ては、あなたにとってどういうものでしたか?


家庭内で安心感を得られた。

例えば、したいことにチャレンジしても良いことや、意見を自由に言うことなど。


質問2:

あなたにとって親とはどういう存在ですか?


一番安心できる存在。辛いことがあった時も支えてくれた。


質問3:

あなたを傷つけたこともあるし、いろいろなことがあったと思います。

完璧な親ではなかったことについてどう思いますか?


もちろん辛かった時もあるが、受け入れている。人は完璧ではないと思っているから。


質問4:

あなたがもし親になりたいとしたら,どんな親になりたいですか?


自身の親と似たような親になりたい。良き理解者かつ寄り添えて、暴力を使わない。


質問5:

叩いたり、怒鳴ったりしないで、子どもをしつけることはできない

と不安に思う親がいます。あなたの意見を聞かせてください。


できる。子供への詳細な理解と親の自制心が必要。また、周りの友達を見ても、体罰なく育っていて、別に変の子はいない。うまくしつけられていないようの人は見ない。


質問6:

以前(中学卒業時)答えてくれたものです。その節もありがとう!訂正や加筆はありますか


なし


ポジティブ・ディシプリン®︎子どもへのアンケート


15歳の子どもに、ポジティブ・ディシプリン®︎の子育てについて聞く


ポジティブ・ディシプリン®︎では、

「子育ての長期的な目標を決める」ことから始まります。

私は、長らく長期的な目標を以下のように置いています。


  (子どもになって欲しい人物像としては)

 ・自分も他者も大切にできる人

  (20歳を迎えた時になっていたい親子関係としては)

 ・一緒に顔を合わせてもリラックスできる関係


以前、どこまで続くのか分からなかった子育ての旅でしたが

今、一つのゴールに辿り着きました。

これからだって、きっと家族には色々あり、どうなるかはもちろん分かりませんが

それでも子どもが20歳になった今、

お互いに信頼関係があり、くつろげ、大切だと思えることは、最高に幸せなことです。

今を心から喜びたいと思います。


子どもは親とは違う自分を創り上げるために、それぞれの形で格闘することが多いです。

ポジティブ・ディシプリン®︎の書籍

でも、思春期の子どものことを、以下のように述べています。

お子さんの最大の課題は、自分独自のアイデンティティを見つけることなのです。
そのためには、まず、今までのやり方の一部を捨て去らなければなりません。イモムシが繭を脱ぎ捨てるようなものです。この世に2人といない唯一の人間として現れ出るために、この過程が必要なのです。

我が家の子どもには、不登校が訪れました。

これまでの、普通に学校に行き、普通に友達と遊び、普通に勉強をしていたような子どもが、学校に行けない状況との格闘が起きました。

それは、まさにこの世に2人といない自分になるための、長い過程でした。

不登校

私はポジティブ・ディシプリン®︎で学んだことから、

不登校を子どもの怠惰や落ちぶれた態度とは考えませんでした。


おそらく子どもにとっては、

これまでうまくやっていた自分が一旦崩れ落ち、無くなってしまい、自信を失うような体験ではないかなど想像し、話を聞き、子どもに何が起きているのか、どういう感じなのかの理解が関わりの中心でした。


目の前の子どもからの情報をもとに、理解する

その上に

子どもの安心感を大切にする(温かさを与える)+子どもを強く信じる(枠組みを示す)

を繰り返しました。


子どもが大小さまざまなアイディアを試し、チャレンジすることを喜び

うまくいかないことを受け止め、また共に検討し、見守ることの繰り返しでした。


子どもは今、ずっと親のいる家にいた1年前と対照的に

海外で1人で暮らしています。

英語学習が好きではなく、苦手な私とは全く違う経験を生きています。

そして、たまにオンラインで繋がり、ホッとする時間を過ごしています。

 

子どもが20歳になって


一度も子どもを傷つけずに育てるなんてことはできませんでしたが、

ありがたいことに子どもは「人は完璧ではない」と理解してくれていました。


ポジティブ・ディシプリン®︎を心掛けて、子どもを20歳まで育ててきた結果、

私の願った「一緒に顔を合わせてもリラックスできる関係」となり、

子どもとオンラインなどで顔を合わせる時間は、

私の人生を明るく、幸福にしてくれています。


子どもにとっても、チャレンジする気持ちが尊重された体験を持ち、

親になるために重要なことを学ぶことができたようです。


ポジティブ・ディシプリン®︎に出会って、本当に良かった!!

心から感謝しています。


長期的目標を考えるために「子どもが20歳になった時」



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