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当たり前?不思議?子どもの発達


養育者とは

日常にもれなく子どもがいて、日々忙しく精一杯なため、あっという間に毎日が過ぎるのではないでしょうか。

私は、園や学校での節目の行事が

怒涛の日々から少し離れる機会となって

ようやく1年前の子どもを思い出し、成長を感じられた

という経験を度々しました。


毎日に奮闘していると

子どもの成長は、当たり前のもので、

今度、園に入ったら〜、小学校に入ったら〜、中学校に上がったら〜

と先々の成長も見込んで、人生の計画を立てることもあります。

すると、子ども成長をもどかしく感じたり、子どもが思い通り成長してくれないといらだったりするかもしれません。


今回は、当たり前と思う子どもの行動を、書籍を引用しながら違う角度から眺めてみたいと思います。

養育者の方には、ぜひ自分がしているすごいことに気づいて、日々の努力が報われると感じて頂けるといいなと思います。


まずは、#トイレトレーニング について。

幼稚園入園の説明会で、幼稚園から「オムツは取れているように」と言われ、友人は大きなプレッシャーを感じていました。トイレトレーニングは、ともすると、養育者には大きな壁と感じるかもしれません。


臨床心理の分野で、世界的に有名なタビストック・クリニックの児童心理療法士の方の著書※1 から引用します。


子どもは神経学的、生理学的に発達するにつれて、排便を感知し、コントロールする能力が発達していきます。この身体のプロセスと並行して、心理面での発達も生じてきます。子どもは、親に言葉で伝えられる中で、お父さんやお母さんはおしっこやうんちを決められた場所でしてほしいのだな、ということを理解する能力を持つようになります。それと同じくらい重要なのは、子どもは、親が自分にしてほしいと思っていることをしたいと思う必要があるのです。つまり、情緒的な観点から言えば、子どもは親を喜ばせるために親の願いに従いたいと思うことが必要なのです。子どもが親の要望に合わせることは、子どもの親に対する愛情の表現と言えるでしょう。その場合、親に対して抱く攻撃的、反社会的な感情よりも、愛情の方が上回っていなければなりません。

子どもがトイレで排泄できるようになるのは

人として最低限のことができた、というようなレベルの低いことでもなければ、簡単なことでないことが分かります。


トイレトレーニングには、年齢という目安の他に、

その子の神経学的(脳や末梢神経など)や生理学的(体の機能やメカニズム)の発達があって、排便を感知できる能力が芽生えている必要があります。

この発達は、養育者が子どもに栄養を与え、衛生に気をつけ、安全を守り、運動を支える日々の養育者の献身の上に得られるものです。


子どもは、「トイレで排便しなさい」と言われたことを、ただ行うわけでもありません。

言葉という人間独特の知識を蓄え

言葉がコミュニケーションの道具だと日々の体験から学び

親が自分とは違う願いを持つことに気づき

親の願いを言葉を通して理解できる必要があります。


この発達は、子どもの言葉にならない音や態度に養育者が関心を寄せ、応答し、なんども話しかけ、子どもを理解しようとコミュニケーションを続け、長い時間をかけて得られるものです。


子どもが自分の行動を親に止められたり、咎められる時、

(例えば、オムツでウンチをしようとするけどトイレに行くように言われる)

健康的な態度として反発や攻撃性を持ちます。その感情を乗り越えて、トイレトレーニングに応えるには、子どもが親に愛情を持つような、温かい親子関係があることが重要です。


養育者はトイレトレーニングをうまく乗り越えたら、

我が子は愛情を受けるだけの存在でなく、人に愛情を注げるほど成長したんだ

子ども自身の反発心を愛情が乗り越えさせたんだ

自分は子どもに愛されている

と子どもからの愛情を大いに喜んで受け取ってよいと思います。


次に、#子どもの質問 をとりあげます。

「子どもは40000回質問する」という書籍の

以下の文章に共感する方は多いのではないでしょうか。

親であれば誰もが知っていることだが、子どもは質問をするーーーーそれもうんざりするくらいに。

この書籍では、ハーバード大学のポール・ハリス教授の研究結果より

子どもは二歳から五歳の間に「説明を求める質問」を計四万回行うと推定している

と。すごいですね!4万回!


私たち養育者は、忙しい時や、時や場所に不適切だと感じる時、質問する子どもを「失礼だ」とか「遠慮がない」と思ったり、「なんでジャマしてくるの」と感じることまであります。

ただ、この“質問”にも、子どもの様々な発達が関係しています。


質問をするには複雑な思考プロセスが必要だ〜 質問するには第一に、自分が知らないことを知る必要がある(略) 第二に、相反するさまざまな可能性を想像する能力を発揮しなければならない。幽霊は本当にいるのかと訊くとき、その子はすでにいくつかの答えを想定している。 そして第三に、他人から学ぶべきことがあることを知らなければならない。霊長類のなかでこうした能力を持ち合わせているのは人間だけだが、それは人間の子どもにとっても自然に発達するような単純な能力ではない。環境しだいで花開くこともあれば、しぼんでしまうこともある繊細な能力なのである。

子どもが質問するのは

トイレトレーニングを乗り越えるのと同様、

養育者がそれまで積み上げた日々の努力が実ってこそで、すごいことなんです。


書籍には、言葉を操る天才小ザル“カンジ”の話が出てきます。

カンジは、200以上の言葉を覚え、読解力とコミュニケーション能力は2歳半の子どもに相当し、いくつかの点でそれ以上と言います。

そんなカンジですが、驚く事実がありました。それは

カンジが絶対にしないのは、なぜかと問いかけることだ

子どもが質問をする、

というのは当たり前のことではなく、生物的に桁違いの階段を上がったことだと気づかれます。


現代の私たちは、教育や福祉制度が行き渡っていて

乳幼児健診、予防接種、入園、小学校、中学校があり、

入園前にはこれができないと!小学生ならこれができないと!と

子どもの成長を、ノルマのように達成必須のものに感じてしまうかもしれません。


しかし、子どもは

養育者が日々行なっているたくさんの重要な行い

(声を掛ける、ご飯を一緒に食べる、清潔で過ごす作法、話を聞く、目が合えば微笑む、怖がれば抱きしめる……)

に応えて成長します。

成長は当たり前のことではないのです。


今回は、当たり前と思う子どもの行動が、実は身体的、心理的、知的な発達の上に現れていることを、書籍を引用してご紹介できればと思いました。

養育者の方には、自分が当たり前だと思ってしている日々の行動が

子どもの発達を引き出していて

すごいことをしている!

ぜひ気づいて、今この子がこうなのは

日々の努力が報われている結果だと感じて頂けるといいなと思います。


子どもの発達についての記事:


※1 「特別なニーズを持つ子どもを理解する」パメラ・バートム著 岩崎学園出版社

※2 「子どもは40000回質問する」イアン・レズリー著 光文社

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