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執筆者の写真ポジティブ・ディシプリン コミュニティ

かんしゃくが落ち着くまでの長い期間のある1日


かんしゃくや反抗期について、書籍を引用しながらここ2回ほど情報を提供してきました。

我が家のかんしゃく問題は、かなり長く続いて、子どもが2歳〜11歳まで私を悩ませました。途方にくれる度に、ポジティブ・ディシプリンの考え方で小さくとも一歩進もうと努力を重ねて来ました。

そんな努力の一歩を、過去の日記からご紹介します。

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スピーチ

うちの子はやったことがないもの、未知のものに取り組む時、不安が攻撃性となって表れます。

今回は、全校生徒の前で発表するスピーチ原稿に挑戦するって‼️

 提出期限は月曜日。

【金曜日】の子どもの様子

私が、帰宅後の荷物の片付けを注意すると

「今やることあるから!違うこと言わないでくれる」とイライラをぶつけます。

【土曜日】

子どもが大声で「どうすればいいかわかんないー!!喋っても1分しかかかんない。3分話さなきゃいけないのに💢」

私が「これまでも色々乗り越えてきたから、大丈夫よ」というと

子ども「何言ってんの💢そんなの分かんないじゃない!勝手なこと言わないでよ‼️」

などなど😩どんどん苛立ちがエスカレートしていきます。

【日曜日】

子ども「(文と文の)繋がりが分かんない。ちょっと💢一緒に考えてよ」

私「二つ主張があるんだから、『二つあります。一つは〜。もう一つは〜。』って話していけば分かりやすいんじゃない?」

子ども「そんな単純なのはヤダ❗️他にはっ💢?」

私「相談に乗っているのに、そんな怒鳴られるのは私は嫌だわ。何か提案しても、ダメ出しばっかりされるし、協力したくなくなった」と伝えます。

その後、物を乱暴に扱ったり、大きな物音を立てる子どもに、

「大きな音を立てて歩かないで」と言えば、「いちいちうるさい」と言葉の応酬の悪循環が始まります。

時間が経つと、子どもが「ここからここにどう繋げたらいいんだろう」と話しかけてきたので、また話を聞いたりしつつ、少しは進みました。

【月曜日朝】

子ども「後、4行必要なの!ああ、もう時間が足りない〜💦どうしよう、どうしよう😫最後に付け足したいんだけど、何を足したらいいかな」

私「ちょっと読んでみて。全体の流れが分からないとなんとも言えないから」

子ども「そんな時間ないから💢」

そして学校へ出発する時間になると

「具合悪い😤宿題もやってない。2時間目から行く」突然言い出します。

私は

「宿題ができてないからって学校を遅刻するのはおかしいね。学校に行って、宿題をしなかったと正直に話してください」

子ども「宿題のせいじゃない、具合が悪くて行けないの💢」

私「具合が悪いのなら、休んだらいいわ。今、1回私外に出るけど、戻ってきたら病院に行きましょう」

とまずは、兄弟を学校へ送っていく。


このような親子の衝突の時にこそ、ポジティブ・ディシプリンの考え方を使います。

ここからは、私が使ったポジティブ・ディシプリンの考え方をご説明します。


ポジティブ・ディシプリンは、まずは計画することが大切なのです。

子どもと離れて考える時間が持てたので

ポジティブ・ディシプリンモデルで、対応を考えることにしました。

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ポジティブ・ディシプリンの考え方:

今の衝突にどんな課題があるんだろうと考える【課題を解決する】

→子どもの視点で考える          【子どもの考え方・感じ方を理解する】

→子育ての長期的目標を思い出し      【子育ての長期的な目標を決める】

→そこに近づく温かさ(子どもの安心)   【温かさを与え、枠組みを示す】

 と枠組み(情報・サポート)を考える

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この場面で、私たち親子の課題はなんだろう。子どもに教えたいことはなんだろう、と考えます。

【課題】では以下が思いつきました。

・時間がかかりストレスがかかる宿題の進め方がうまくない

・ストレスがかかる場面だからと言って、人に八つ当たりしていること

・相談相手に対して、口調がきつく、ダメ出しをするため、協力を得られていないこと

・宿題ができていないからと、具合が悪いと学校を遅刻しようとすること

課題満載ですねー💦

でも、4つ課題をあげた頃には、私の感じる脳より考える脳が働き出す。

 ※ポジティブ・ディシプリン・プログラムでは、簡単に脳の構造を説明します。脳の感情を司る部分を「感じる脳」、思考や計画等を担当する部分を「考える脳」とご説明しています。


ポジティブ・ディシプリンでは、課題を出し尽くしたと思ったら、その中からもっとも解決したい課題を一つ選びます。

あまりに前の話をしても、子どもは「やってない」「言ってない」ということが多いので、私は課題を一番直近であった出来事にすることに。

課題は 「宿題ができていないからと、具合が悪いと学校を遅刻しようとすること」にしました。

課題を一つに決めたら、次に考えることは、

・なぜこの課題が起こるのか

・子どもがこう行動する理由は何だろう

子どもの考え方・感じ方から理由を考えることです。

【理由】以下が想像できました。

・スピーチ原稿を仕上げるのが、今のこの子にとって一番重要なことだから。

・宿題ができてないと先生に正直に言えない。

私自身の怒りにジャマされて、なかなか考える脳がスムーズには働かない中、なんとか2つの理由を考えつくことができました。


時間もないので、ポジティブ・ディシプリンの次のステップに行きました。

「私の子育ての長期的目標」を思い出す。

【長期的目標】‥‥子どもが20歳になったとき、なっていてほしい人や親子関係

・自分を信じられる人

・自分も他人も大切にできる人

・信頼感があり安心していられる親子関係

そして、最後の仕上げの「温かさと枠組みを計画」する前に、家に到着。時間切れ。。。

「この対応がいい!」と全然計画できてないけど、対応に突入!

こういう時もよくありますよね😅

でも、ここまでポジティブ・ディシプリンで考えることができていれば、

私が怒りに任せて怒鳴ることは

子どもが今抱えている課題

(ストレスで人に八つ当たりしていること・相手に対して口調がきつく協力を得られてない)

への良い見本にはならないことに気づくことができるようになっています。


加えて、親子の衝突が起こっている理由

(スピーチ原稿を仕上げるのが、今のこの子にとって一番大切なことだから/宿題ができてないと先生に正直に言えない)

に対して、私が怒りに任せて怒鳴ることは、何の効果もない対応だとわかってきます。

私が怒鳴って怒ったところで、「あなたは悪い子だ」というメッセージが伝わって、長期的目標の「自分を信じられる人」とは逆行することになることにも気づけます。

やっと、違う対応をしようと心が決まります。

帰宅して私は落ち着いて

「宿題ができてないから授業休むのは、おかしいと思わない?」と子どもに尋ねる。

子ども「思う」

私「じゃあ、仮病使って休まないで、急いで原稿を作って、学校行こう」

とここから、私が「こういう風なこと言いたいの?」とか「どんな風になって欲しいの?」と聞けば

子どもは「そう。〜でいいかな」とか「じゃあ。こんな感じでどうだろう」と建設的な噛み合った話し合いができるようになりました。

約1時間で、なんとか原稿を書き上げ、学校へ向かいます。

学校へ送る道で

「こんなバタバタ余裕なくやると、どう?」と私が聞くと

子どもは「金曜からやったほうがいいと思った」

私「土曜から、今回みたいに、協力的に話し合いをしていたらよかったよね。」

子ども「うん」

私「できない時は、できなくってもいんだよ。先生にできなかったって言って、明日までにはやるって言ったって全然いんだよ。そんな時もあるから」

と学校に送り出しました。

子育ての対応では、何が正しいか、わからないことばかりです。

けれど、子どもを罰したり制裁を加えることに夢中にならず、ポジティブ・ディシプリンで、いっぽでも建設的な対応をして行く方がいいと思いました。

====(日記終わり)

私の子どもは、上のような経験を何年もかけて積み上げ、

今では自分の傾向(やったことがないものに取り組む時、不安が攻撃性となって表れる)を理解し、自分なりに

 ・早いうちに取り組む

 ・過去に成し遂げたことを思い出して自分を信じて対応する

 ・これができないからって死ぬわけじゃないと自分に言い聞かせる

ようになりました。

かんしゃくは影を潜め、昔の殺伐とした親子の空気感はすっかりなくなりました。

そして、今や児童会役員だったり、上級生としてたくさんの人の前で堂々とスピーチをしています。

どこまでが子どもの成長か、ポジティブ・ディシプリンのお陰か分かりませんが、

私はポジティブ・ディシプリンを学んで良かったと心から思っています。

今思えば、全校生徒の前でスピーチするなんて、そのプレッシャーたるものや大変だったろうと思いやることができます。

しかし、その当時は私自身が傷つかないことに必死で、どうしたらいいかポジティブ・ディシプリンのステップがなきゃ分からなかったのです。

ちなみに

この日記の内容をブログに掲載していいか、子どもに確認したところ

読みながら「お母さんかわいそう。」と泣きつつも、子育ての役に立つならと承諾してくれました(笑)

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